地震への備え(地震保険と地震で支払われる保険など)

不動産, 住宅, 微動ラボ

地震への備え(地震保険と地震関係の保険など)

横山 芳春 博士(理学)
当法人理事 事務局長 (平野の地質と地形、地盤災害の専門家)

地震への備え

 地震に対する備えとしては、微動探査により地盤の揺れやすさを知る、家屋の耐震性を向上させる、住宅に制振ダンパーを取り付けるなどのハード面の対策、また家具の据え付けや防災備蓄品を備えることに加えて、避難ルートや避難方法を家庭で協議するようなソフト面の対応が有効です。地震は台風のような予測も難しく、現代の科学では日時や時間を絞った地震予知地震予兆などは難しいということが一般的な考え方です。
地震本部により、30年以内に70~80%の確率で発生すると想定されている「南海トラフ巨大地震」をはじめ、日本は地震の規模を示すマグニチュード6以上の地震のうち、世界中の2割近くが起こる地震大国です。ひとたび地震が起こると、震度6弱以上の大きな地震では、地震の揺れによる被害に加えて、津波液状化、また地震や津波発生による火災なども懸念され、住宅は大きな被害を受けることがあります。

火災や自然災害に対する家屋などの保険としては、火災保険という制度があります。しかし、火災保険では地震・火山の噴火やそれらを原因とした火災や家屋損壊などは補償されるものではなく、地震に対しての備えをするのであれば、地震保険を活用することが求められます。家屋の耐震性向上をうまく活用することで保険の費用を割引でき、いざという時の備えとして有効です。

地震保険の特徴

 地震保険は、たくさんある保険商品の中でも、地震という、時として日本全国が大きな被害を受けるような災害が対象であるため、ほかの保険と異なる点があります。大きくみると、次の2つが特徴といえます。

1.地震保険には火災保険とセットで加入する

 第1の特徴は、地震保険は火災保険とセットでないと加入できないということ。火災保険で補償される失火などによる火災や風害などでカバーできない範囲をカバーする特約のような性質を持っています。このため、火災保険のみでの契約はできません。火災保険の契約時のみならず、後から契約することもできます。火災保険に地震保険が付帯された「付帯率」は年々向上しており、2018年度では65.2%に達していますが、まだまだ地震保険を付帯していないケースも少なくありません。

 

損害保険料算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報」HPより

 

2.地震保険は公共性の高い保険で価格・補償内容も同じ

 地震保険は火災保険と併せて保険会社が提供していますが、公共性の高い保険といえます。この理由としては、ひとたび大地震が起こると多額の損害が発生するため、これを保険会社のみで支払うことが難しいことがあります。このため、国がバックに入って保険会社が損害に対応できなくなることを防いでいます。このような公共性から、地震保険の料金はどの保険会社でも同じであり、受けられる補償についても差がありません。例えば、損害があった時の補償額は次の表のとおりです。

                                                 

損害保険料算出機構 HPより

耐震性能が優れている住宅には割引制度も

 地震保険は、地震による建物の損壊を補償する保険であることから、建物の耐震性が優れた建物には割引制度があります。例えば、1981年6月以降に新築された「新耐震基準」の建物であれば10%引き、それ以前の建物でも、耐震診断または現行耐震基準を満たしていれば10%引きなどがあります。とくに、住宅性能表示制度の耐震等級2,3に該当していればそれぞれ30%、50%引き、同じく免震建築物に相当していれば50%引きなどがあり、地震に強い住宅で地震保険も割引されていれば加入もしやすくいざという時にも安心でしょう。

なお、地震を対象とした保険では、火災保険とセットでなくとも入れる1年契約の「少額短期保険」や、最近では大手損保会社から震度に応じて保険料支払いがある「震度連動型保険」が夏に発売される予定など、地震保険以外の仕組みもみられます。地震保険やこれらの保険をうまく活用して、地震への備えを進めましょう。

 

今後も、地域微動探査協会では、地震や地盤、建築等に関するコラムをアップしてまいります。

当法人に関するお問合せ、取材のご依頼・ご相談等は下記からお願い致します。

お問合せはこちら

一般社団法人 地域微動探査協会 〒104-0033 東京都中央区新川1-6-12
AIビル茅場町2F TEL:03-6403-7543